神は常に話しかけている。
それは時として、われわれにわかる言葉として。
神は常に語りかけている。
それは時として、われわれのわからない言葉として。

神がわれわれにわかる言葉で話しかける時、われわれは自分自身の魂を通してその意味を知るだろう。

神がわれわれにわからない言葉でかたりかける時、われわれはあまたの自然を通してその意味を知るだろう。

神の言葉は数多い。
それゆえ、われわれにわからない言葉で話すことが多い。
われわれがいくら魂を開き、その言葉を聞こうとしてもわからないことが多いのはそのためだ。

神は常に語りかけている。
そしてその言葉を理解できるものは少ない。

しかし、悲観することはない。
神がわれわれに語ろうとしていないわけではないからだ。

神の言葉は数多い。
われわれがわからなくとも、われわれを取り巻く全てのものがその言葉を理解する。
だから、われわれはあまねく生物の言葉を理解すれば良い。
そして目に映る神の化身の動きからその言葉を読めば良い。

神の語るある種の言葉は、太陽が理解する。
太陽はいつものように登り、いつものように沈む。
しかし同じところから始まることはない。
昼は太陽の語る神の言葉に満ちている。

神の語るある種の言葉は、星が理解する。
星はいつものように登り、いつものように沈む。
しかし同じところから始まることはない。
夜は星の語る神の言葉に満ちている。

神の語るある種の言葉は、大地が理解する。
大地は昼も夜もそこにある。
しかし同じ色をしていることはない。
大地の上で生きるものは皆大地の言葉に耳を傾ける。

神の語るある種の言葉は、雲が理解する。
雲は気まぐれだ。
いつのまにかあらわれて、同じ形をしているものはない。
雲は太陽の言葉や星の言葉をさえぎりわれわれを惑わすこともある。
しかしそれはわれわれが神の言葉を疑った時か、雲の言葉が一番大切な時だ。

神の語るある種の言葉は風が理解する。
風は正直だ。
雲がわれわれを惑わそうとするとき、風は雲を彼方に連れ去り
再び太陽と星の言葉を聞えるようにしてくれる。

だからわれわれは神の言葉を理解するときに、太陽と語れば良い。
そして星に話しかけ、大地の上に眠り、雲の流れを追えば良い。

神の語る言葉は数多い。
神の言葉の数だけ、この世には生きるものがいる。

鷹の語る神の言葉は、その飛翔だ。
人間がその言葉を理解しようとして、鷹の名前をつけて、ついに鷹のように舞い、鷹のように歌う。